昨年の11月、Webブラウザでプレイできるオンライン経営シミュレーションゲーム(ブラゲ経営塾、Let'sブラウザ経営)を紹介しましたが、その後もう1タイトル発表されたので追加で紹介します。
また、経営学の知識を身につけるためのシリアスゲームとして、どのように活用できるのかという考察もしたいと思います。
■Mr. CEO
http://ceo.dinc.co.jp/
運営はDINC。中国のThe5 Interactiveが開発。
中国では『商業大亨』としてサービスを展開し、中国国内の 300 サーバで 60 万人の同時接続を記録したゲームらしい(DINCプレスリリースより)。
実は前のエントリを公開した後、中国からの留学生に「ブラゲ経営塾とLet'sブラウザ経営って知ってる?」と尋ねてみました。学生いわく「Let'sブラウザ経営は知ってますが、ずいぶん前のゲームですね。でももっと人気のある経営ゲームがあります」との答えで、そのゲーム名を口頭で教えてもらいました。中国語で聞いたので漢字がわかりませんが、Mr. CEOのことなのかな?今度学内で出会ったら正確に聞いておきます。
あとは雑感です。
【3タイトルの比較】
「ブラゲ経営塾」「Let'sブラウザ経営」「Mr. CEO」の3タイトルとも中国発のオンラインゲームですね。なんとなくオンラインゲームいうと韓国というイメージを持っていましたが、最近は変わってきたのでしょうか?
すべてのゲームをプレイしてみましたが、どのゲームも空き地に店舗や工場を建てて従業員を配置し、商品を仕入れて販売して利益を上げるという流れは同じです。
Let'sブラウザ経営とMr. CEOはほとんど同じです。秘書が下準備をするとプレイヤー自身が行う業務(出張や会議開催など)が早く終わるといったところも同じです。すべてのことを試したわけではないので、細部は異なっていると思われます。
3つの中では、ブラゲ経営塾がもっともゲーム性が高いと思います。店舗で販売する製品はプレイヤーが自ら原料を仕入れて自社工場で生産する必要があります。楽しいんですけど、ある程度レベルが高くなって大量に生産できるようになるまでは、たびたびゲーム画面に向かわなければなりません。
また、Mr. CEOだけFlashを使っていませんので、Flashの入っていないブラウザでもプレイできます。
【シリアスゲームとしてどう使うか】
どれもMMOGですのでプレイ時間が実時間となり、成果を得るためにはかなりの時間が必要です。シリアスゲームとして経営学の知識を活用する場として考えると、長期間取り組む必要がありますね。また、少し放っておくと従業員の忠誠心が下がるなど、多方面で悪影響がありますので、本気で取り組みたいと考える学生にしか勧められないかなと。
無料だからいいなぁと思っていましたが、現段階では、リアルタイムのシミュレーションゲームを経営学の知識実践の場として使うのはかなり工夫が必要だという印象です。ヴァーチャルタイムでサクサク進むゲームだったら、いろいろな経営方針でプレイしてみるといったことが可能ですし、同じ経営方針で何度もプレイして結果を統計解析するといったことが可能なのですが・・・。ただ、これは大学の講義で習得した内容をできるだけ多く活用させたい、という私と共同研究者の意向が反映しているので、一概には言えませんが。
しかし、リアルタイムで進行し、他プレイヤーとの競争もあるということは、実社会により近いとも言えますので、よりシビアに経営と向きあう意識を醸成することが可能かもしれません。また、何人かで同時にはじめ、ある程度期間が経ってから、経営がうまくいっていない学生の企業を立て直すために、各人の経営経験を持ち寄って、全員で話しあって再建策を立案するという使い方もありかなと思います。
もちろん、経営学の知識を身につけるためなどといった堅苦しいことを抜きにすれば、どのゲームも他プレイヤーとの交流もできて楽しいですよ。
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