前のエントリの続きです。
2.大学事務の業務分析
こちらも3年ゼミ。
3年ゼミのテーマはビジネスプロセスのシミュレーション分析です。毎年度前期はシミュレーションソフトを使ったモデリングを身につける演習、後期は実際に何かを調査してシミュレーション分析をするという流れで進めています。
昨年度までの2年間は近くの交差点の交通量調査をしましたが、本年度は大学事務局の協力を得て、事務作業の業務分析を行うことにしました。
本年度に調査対象を変更した理由は、交差点での自動車や歩行者の通行や信号機の切り替えなどのモデリングはあまり工夫の余地がなくて、全員同じようなモデルになってしまうこと。卒論での研究対象として交通状況を選ぶ学生が多く、経営学部の研究としていいのかという疑問(観光まちづくりコースもあるし、他コースの学生・教員にもわかりやすいので卒論の発表会では好評なのですが)。教える方が交通量調査に飽きた、などです。
大学の事務作業を選んだ理由は、一般の民間企業よりも調査の協力を得られやすいこと。調査に行くために他の講義を休まなくてよいこと(私が学生の頃は「調査に行くから他の講義は休め!」で済んでました(もちろん講義を優先する同級生もいました)が、そうはいかない本学の雰囲気ですから)でしょうか。一回で完璧に行える調査はほぼないので、学生が自主的に再調査することを期待してのアクセスのよさも選定理由です。
多くの学生が就職先として選ぶことになる事務職の業務を対象に調査・分析を行うことで、就業先の業務に対する理解を深めたり、就職活動に対する意識を醸成したり、協力していただける部署(学修支援課・キャリア支援課)の方たちと気軽に相談できるようになってもらいたい、などなど。「どうだ!ウチのゼミ生は優秀だろ!」と学内アピールをしてみたりとか、一石で二鳥も三鳥も狙っております。
調査したときは礼儀として成果を報告しなければなりませんので、できるかなという少しの不安と、今年のゼミ生ならきっと私の想像以上の成果を上げてくれるはず、という大きな期待をもってプロジェクト進行中です。
今週水曜日に行った担当者へのインタビュー調査では、みんな真剣な面持ちで臨んでいました。普段はおとなしい学生が積極的に質問していたり、企画してよかったなと思える出来事がいくつもありました。インタビューの記録にはiPadやノートPC、紙のメモを使用しました。どの手段が一番よかったか、グループで話し合ってみるのもよいでしょう。
こういう取り組みは「課題解決型」になるのでしょうか? 私自身は大学・大学院を通して所属していたゼミではこれが日常で、他のゼミでやってた輪読などの普通のゼミに対する憧れはあるんですが。いかんせん、自ら経験したこと以外の教育方法はうまくできない。
他大学に勤めている大学院時代の同級生に今回の調査のことを話したら「事務局がよく調査を嫌がらずに受け入れてくれたねぇ」と感慨深げでした。わかります。一般の企業でも調査に前向きなのは管理部門だけで、実際に調査対象となる現場では風当たりが強い中、素知らぬふりで調査を淡々と行うみたいなことが多いのです。事務局の対応には感謝しきりで、このお礼は仕事でお返しします。今年がうまくいったら、私のゼミの伝統行事として育てていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。
<その3に続く(予定)>
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